●仲人親 なこうどおや
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結婚にさいしてたてられる仲人を新夫婦一代の仮親とする慣行のこと。日本の伝統的な習俗のなかでは,人生儀礼上の各時期に実の親以外の者を仮親としてたてる慣行が多様に発達していたが,仲人親は,そのなかでも最も広汎にみられたものであった。仲人をとくに「親方」とは呼ばない場合でも,結婚後の新夫婦の仲人との交際は,盆暮の贈答とならんで子供の誕生や初節供,年祝いなどでの贈答が通常のことと考えられ,それは婚入者の実家と婚家との贈答関係に等しいものであった。典型的には婚礼の一部に仲人と新夫婦との親子盃の儀礼が組み込まれる場合があるが,そこでは仲人親との付き合いは生涯にわたるものとされ,仲人親は新夫婦の社会的後楯として意識されていた。ただし,婚姻にさいして,仲人とは別に「親分」や「烏帽子親」をとる慣習をもっていた地方もあり,仲人を仮親とする慣行が,仲人制度の成立の当初から含まれていたものとは考えられない。