●泣女 なきめ
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死者の枕頭や葬列に加わって儀礼的に泣く女性。なきおんなともいう。『礼記』『喪大記』には死者に対する笑礼が示され,『古事記』にも〈哭女〉と記されており,古代の葬儀にこの役があったことが知られる。鹿児島県中甑島では死者と最も深い血縁の女性が,生前の思い出を語りながら泣くのが作法となっている。伊豆新島でもこのように泣く風があり,泣きながら言うことばは決まっていた。この役が半職業的になって専門的に雇われる老婆もおり,一升泣き・二升位きなどと謝礼の米の量によって泣き方や唱え言を変えた。能登七尾付近ではトムライババといって,主人には酒,主婦には西瓜,未婚の娘には繻子の帯を十分に与えればよかったと死者の性別・年齢によってくどく文句が異なり,それによって布施米の量に区別があった。台湾では慟哭,韓国では既絶乃哭といって臨終の際に号泣する儀礼があり,いずれもかつては号泣する女性を雇ったといわれる。号泣が死の儀礼の重要な要素となっていた。