●流れ灌頂 ながれかんじょう
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死者を成仏させるために卒塔婆(そとば)を川に流す行事をいう。元来は水中の魚類に仏縁を結ばせる目的で始められたが,同時に無縁の亡者を供養することで,自他ともに仏果を成就する期待がこめられた。浄瑠璃『妹背山女定訓』のなかにも〈残らず川へ流れ灌頂……〉とあり,流派や地方によってその方法もさまざまである。たとえば亡者が妊産婦の場合には,4本の竹,あるいは卒塔婆を水辺の清浄の地に立て,それに赤く染めた布を張り,道行く人に水を注いでもらう。赤い布の色がさめるまでは成仏しないとか,卒塔婆に書かれてある文字が消えなければいけないとか,あるいは卒塔婆に穴があけばよいなどといわれ,より多くの人の弔いを欲した。このほか,仏名を記した卒塔婆,旗,紙片などを川に流す方法もある。死者が成仏して極楽浄土へたどり着くまでに火の山を越えるといわれ,そのとき熱さに苦しまないように水を用いて供養するのだという説もある。