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●那珂通世 なかみちよ

アジア 日本 AD1851 江戸時代

 1851〜1908(嘉永4〜明治41)わが国東洋史学の先駆者。盛岡藩士藤村盛徳の三男。幼名荘次郎。藩校に学び,同校教授那珂通高の養子となる。幕末維新の際一家は逆境に置かれた。漢学に天分を現してきた通世は慶應義塾に入って英学を修め,卒業後,師範学校,中学校,高等師範学校などの教員・校長を歴任,東京帝国大学講師も兼ねた。この間,新しい教育方法,教育制度の創建に大きな功績があった。一方,日本・朝鮮の古代史を解明した実証的諸論考は,当時の学界を刺激した。また,中国上代から宋代までを扱った『支那通史』全3巻は,叙述と構成の客観性,体系性において,従来の漢学的中国史の水準をはるかに抜く名著で,今日なお利用価値をもつ。また『元朝秘史』(チンギス=ハンの生涯などを語るモンゴル人の民族文学)を翻訳して,『成吉思汗実録』の書名で出版し,わが国のモンゴル研究を開拓した。白鳥庫吉の中学時代の恩師であり,内藤虎次郎とも学問上の交渉が深かった。

〔参考文献〕三宅米吉「文学博士那珂通世君伝」

『那珂通世遺書』所収,故那珂博士功績記念会,1915,大日本図書