●ナヴァホ族 ナヴァホぞく
北アメリカ アメリカ合衆国 AD
アサパスカン語族に属するアメリカ原住民族。スペイン人からの羊の移入による牧畜と,ナヴァホ,ブランケットと呼ばれる毛布の製作,および銀細工により有名。【分布】アメリカ合衆国のニュー=メキシコ州とアリゾナ州北部,およびコロラド州,ユタ州の一部。
【歴史】ナヴァホという名称では1629年のザラテ=サルメロンによる記載が歴史に登場する最初である。18世紀中葉には宣教師による布教活動が行われるが成果はみられない。アメリカ合衆国の建国以前より隣接するプエブロ=インディアンや白人の植民地開拓者とのあいだで戦争がくり返される。スペイン人によりもたらされた羊により,生活は牧畜へと変化する。1846年および49年のアメリカ合衆国との平和条約は守られず,1863年,カルソン“Kit”Carson, Col.はナヴァホを攻撃し,大量の羊の殺戮を行い,ナヴァホ族の多くを囚人としてフォート・サムナー,およびボスク=レドンドに送る。1867年に帰還したナヴァホ族は羊と山羊の新たな支給を受け,生計をたてるにいたる。
【文化】生業はトウモロコシ栽培と羊の牧畜である。母系出自,母系氏族の形成がみられる。妻方居住婚による拡大家族が経済単位となっている。シャマニズムを基盤とするが,プエブロ=インディアンからの祭司を伴う宗教儀礼の影響がみられる。
【人口】1680年,ムーニーによると8,000人と推定される。1869年,9,000人以下。1890年には17,204人。1900年には20,000人,1910年には22,455人。1923年のアメリカ合衆国インディアン局の統計によると,各地のナヴァホ居留地に30,000人,1930年には39,064人になるが,1937年の統計では44,304人となっている。
〔参考文献〕Swanton, J.R.“The Indian Tribes of North America”1952,Smithsonian Institution, Bureau of American Ethnology.
Kluckhohn, C. and D. Leighton“The Navaho”1962,Doubleday Anchor Book, The American Museum of Natural History.