●ドン=キホーテ
ヨーロッパ スペイン AD
スペインの作家セルバンテスの風刺小説。正確には『才気あふれる郷士ドン=キホーテ=デ=ラ=マンチャ』。前篇は1605年,後篇は1615年に出版。物語の主人公はラ=マンチャ地方の田舎郷士ドン=キホーテとその従士サンチョ=パンサ。ドン=キホーテは騎士道物語に日夜読み耽っているうちに自ら騎士道物語の主人公と思い込み,世の不正を正すための遍歴の旅に出る。彼は正義を愛する理想家で,危険をかえりみず行動するが騎士道物語の世界の夢想と現実の区別がつかない。従士サンチョ=パンサは現実的・打算的臆病であるが主人には忠実。二人のくりひろげる滑稽な行動と会話で作者は対照的な二つの人間像を創りあげ,その性格を描き出していく。それは騎士道物語のパロディという作者の最初の意図を越え,挿話にさまざまな内容を加え,虚構と現実を重ね合わし,新しい形式の長篇小説として完成された。