●トロイア戦争 トロイアせんそう
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黒海からヘレスポントス(現ダーダネルス)海峡をへてエーゲ海に出る東側の要衝であるトロイア(現ヒッサルリク)を舞台にして,前1200年ごろに10年間つづいたと伝えられる戦争。神話の世界では,戦争は3人の女神ヘラ・アテナ・アフロディテの争いから始まった。トロイア王プリアモスの子パリスはアフロディテを最も美しいと審判して,女神の導きでスパルタ王メネラオスの妃ヘレネを知り,彼女を連れてトロイアに帰還した。メネラオスの兄弟アガメムノンはヘレネ奪回を企て,ギリシア軍を率いてトロイア遠征を行い,ここにホメロスの『イリアス』に描かれる戦争が始まった。トロイア戦争は単なる物語・神話的虚構と考えられていたが,これを歴史的実在であると信じたシュリーマン(1822〜90)の発掘・ブレゲンの調査によって,ヒッサルリクの丘の第6市がホメロスの描くトロイアであることが確認された。神話の世界は別として,歴史的事実としてのトロイア戦争は,前1200年ごろから始まるギリシア人の略奪的な海外進出を核としている,と考えられる。