●トルコ学 トルコがく
アジア トルコ共和国 AD
トルコ民族の文化や言語を研究する学問を意味し,その学者は Turcologist と呼ばれる。オスマン=トルコ帝国と,数世紀にわたって和戦両様の関係をつづけた近代西欧で生まれた学問。全盛期のオスマン=トルコ帝国は,ハプスブルク王朝を共通の敵とするフランスと軍事同盟を結び,同帝国の衰退期には,西欧列強のなかでトルコに領土的野心を示さなかったドイツに接近した。そのため,トルコ学はまずフランスで始まり,ついでドイツにおいて盛んになった。モーツァルトやベートーヴェンの『トルコ行進曲』に象徴されるように,近世ヨーロッパではトルコ文化に興味をもった人々も少なくない。また,卑近な例としては,コーヒーがトルコからヨーロッパにもたらされたり,七面鳥が北米原産でありながら,英語で turkey と呼ばれるように,近世ヨーロッパにおける異国趣味(エキゾティシズム)の対象としては,トルコが第1の国であった。