50音順    検 索

●鳥追い とりおい

アジア 日本 AD 

 主として小正月に農作の害鳥を追い払う所作を模擬的に演ずる呪術的行為で,農耕予祝儀礼の性格をもつ。東日本に多く分布し,子供の行事とする例が多い。板・棒・拍子木・太鼓などを叩いて音を出し,定まった唱え言を叫ぶ。福島県南会津郡下郷町白岩では,1月15日朝,前日のサイノカミをした場所に出て,〈雀の頭八つ割って佐渡ケ島さシーヤホーヤドー〉と拍子木を叩きながら唱えた。また新潟県新発田市滝谷で,子供たちが数人連れだって村内の各戸を訪れ唱え言を述べると,家人が「ホーイホーイ」と応えるというように,問答形式をとって追う例もみられた。千葉県の一部ではジャンガリコといい,子供たちが集まり餅を食べながら丸い木を叩いて歌い笑うことが行われた。いずれにしても,音とことばで鳥を追おうとした点に特徴がある。江戸時代,京で戸口に立ち手を叩いて祝言を唱えては米や銭を貰い歩いた鳥追いや,江戸の鳥追い女は農耕儀礼の鳥追いが門付芸化したものである。