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●トラークル

ヨーロッパ オーストリア共和国 AD1887 オーストリア=ハンガリー帝国

 1887〜1914 オーストリアの詩人。ザルツブルクの鉄商人の家に生まれ,ギムナジウムの生徒だった17歳ごろからさまざまな麻薬になじみ始め,ギムナジウム退学,ウィーン大学薬学2年課程に入学,1910年薬剤師資格試験合格。その後兵役をすませた後,薬局づとめ(2カ月間)・志願入隊(1カ月後に予備役希望)・労働省書記(2時間で退職)・陸軍省づとめ(1カ月で退職)など定職にはつかず,第一次世界大戦開始とともに薬剤士官補として従軍,戦争の光景に耐えきれず,自殺未遂の後に収容されクラーカウの精神病棟で,多量のコカインを服用して死亡した。ニーチェドストエフスキー・ランボー・ヘルダーリンなどから強い影響をうけ,妹に対する近親姦的傾向を示しながら,ハプスブルク帝国文化の没落のなかで,色を陰喩として使い,文化や歴史の終末が,季節や風景,自己の罪の意識と滅亡に重なっていく,きわめて異色な“無気味にも美しい”詩的世界を展開した。ふつう表現主義運動の枠内でとらえられる詩人である。