●虎が雨 とらがあめ
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旧暦の5月28日には,必ず雨が降るという言い伝えが全国にみられる。曽我兄弟が父の仇討を遂げた日であり,十郎祐成が討死をしたから虎小将の涙雨ともいう。あるいは,当夜雨が降ったために首尾よく本望を達したので,この日には必ず雨が降るともいわれている。トラとは,トウロ・トランなどとも呼ばれ,旅の巫女(比丘尼)の名であったといわれている。旧暦5月は,田植えの水の欲しいときであり,この巫女の祈願呪術が広く繰り返された習俗と考えられる。曽我十郎の妻が,実名虎御前(大磯の虎)という遊女であったことから,討死を悲しむ涙が雨となって降るという曽我伝説の伝播とともに,巫女のトラも大磯の虎と理解されるにいたったと考えられる。このほか28日が不動の縁日であることから,不動への雨乞いと何らかの関連があるようにも思われ,また鹿児島地方では,この日をソガノカサヤキといい,番傘を集めて焼く雨乞いをしていた。