●トマス=マン
ヨーロッパ ドイツ連邦共和国 AD1875 ドイツ帝国
1875〜1955 ドイツ20世紀最大の作家。リューベック生まれ。百年に及ぶ穀物商会の生家の歴史を題材とした『ブデンブローク家の人びと』(1901)が出世作,のちにノーベル文学賞を受賞。『トーニオ=クレーガー』(1903)・『ヴェニスに死す』(1912)など,初期短編小説に逸品が多い。30歳でカーチャと結婚。エーリカ,クラウスなど著述家として活躍した子供たちと,亡命生活を含む80歳の家庭生活を全うした。第一次世界大戦時,フランス側に立つ兄ハインリヒ=マン(『ウンラート教授』などで著名な作家)と論争,ドイツとは何かを追求したエッセイ『非政治的人間の考察』(1918)は,代表作『魔の山』(1924)を生む。ドイツ教養小説終焉を告げるこの時間小説は,さらに55歳から16年をかけて完成された『ヨーゼフとその兄弟たち』四部作に発展。「ヴァーグナァ」講演により,1933年,ナチス政権下の自宅ミュンヘンに戻れず,スイスに亡命。1938年68歳にしてアメリカに移住。ゲーテ小説『ワイマールのロッテ』(1939)・ニーチェ小説『ファウストゥス博士』(1947)・『選ばれし人』(1951)など上梓後,1952年77歳でスイスに帰り,1955年チューリヒで死去(80歳)。市民社会末期の芸術・芸術家,ドイツとドイツ人の問題などを核に,アイロニーと粘り強い文体で,現代におけるヒュマニティーの人間世界を,フィッシャー版全集13巻に描き上げた。〔参考文献〕辻邦生『トーマス・マン』1983,20世紀思想家文庫,岩波書店
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