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●トマス

北アメリカ アメリカ合衆国 AD1863 

 1863〜1947 アメリカの社会学者。初め,テネシー大学で文学・言語学を学ぶ。その後ドイツ留学時に,ドイツ民族心理学に触れ,社会学を試してシカゴ大学に移る。1896年同大学で学位取得,教鞭をとる。アメリカにおいて社会学部が独立に設けられたのは,1892年シカゴ大学が最初であり,同大学はその後アメリカ社会学に一大学派を形成するようになる。トマスは,このシカゴ学派の第一世代に属するとともに,彼のズナンエッキとの共同研究『欧米のポーランド農民』は,パーソナル=ドキュメントを用いた事例研究法の開発に成功し,社会学を思弁的段階から,実証的段階に引き上げた社会学史上のモニュメントと評されている。彼は,社会学的分析概念として“価値”と“態度”を重視し,社会的価値と,態度・現実との交錯のなかで状況の定義が行われ,人間行動が決定されると考えた。

〔参考文献〕L.A.コーザー,磯部卓訳『社会学的分析の歴史8 アメリカ社会学の形式』1981,アカデミア出版会