●戸棚 とだな
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棚のまわりを板で囲み正面に遣戸をつけたものである。江戸時代になって,棚から発達したもので,買物案内類などにも18世紀初めごろに,戸棚の専門店が載り始める。このころの戸棚屋は大坂に多い。江戸中期までは専門の戸棚屋が作っていたが,その後,押入れや戸棚類の製作は大工の仕事になる。最初は食物入れと食器具入れの,厨房用としての戸棚で,江戸時代には板厨(とだな)という文字があてられている。大正期になると,蒲団(ふとん)戸棚も作られるようになる。東北の農家では,戸棚を土間におくこともあったので,下に車をつけた車戸棚も見られた。関東の一部農村部では押入れなども戸棚と呼び,戸を閉めると中が真暗になるので子どものしつけの場に使った例もある,栃木県の子守唄〈ねんねんねんころ ねんころりん……泣くと戸棚にぶちこむぞ〉の一節はこのことを示している。