●都市問題 としもんだい
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都市自体に固有の発生原因があり,都市に典型的な形で現れる社会問題をとくに都市問題という。都市問題が意識されるようになったのは,集積の不利益や都市的生活様式の破綻,すなわち生産活動の阻害や,健康で文化的な市民生活にとってのマイナス状況が強く現れるようになったときである。この意味での都市問題が初めて発生したのは,19世紀前半のイギリスのロンドンや新興工業都市において下層労働者の居住環境が悪化し,支配階級にとっても放置できぬ状況になったときとされる。当時の都市問題は,一部の限られた貧しい階層の住宅問題にとどまっていた。しかし,20世紀に入り先進諸国で大都市の発展が始まると,過度の集積に由来する新しい都市問題が発生しはじめた。大気汚染・騒音などの都市公害,交通混雑や遠距離通勤,地価上昇に伴う住宅難,青少年の非行や犯罪多発など,問題は社会の全般にわたり,すべての市民を被害者の立場に置くことが特徴である。現代の都市問題の解決には,問題の発生の根源にさかのぼる総合的な対応が必要である。