●杜氏 とじ
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日本酒の酒造職人の統率者である。杜氏をドジ・トウジと呼ぶことについては,諸説あるが,日本の民話からみると次のように考えられる。もともと,酒造りは女性の仕事であって,独立した女性ないし一家の主婦を刀自(トジ)といい,この刀自の手によって酒がつくられたのである。時代の推移のなかで,酒造の仕事が男性に代わり,それに伴って刀自の意味が本来の意味から転化して杜氏という宛字になり,酒造の統率者を意味するようになったと考えられる。杜氏の頭は,酒造にあたって麹師・釜屋・働き・飯だきの職人を率いて酒蔵へ入場した。これら酒造職人は,はじめ雪国・山国の冬の農閑期の出稼ぎ者であったが,特殊技術が必要なため,出稼ぎ以上の専門職となり,杜氏という頭に率いられての仲間の組織をつくるようになっていったと考えられる。灘の酒造業では,丹波杜氏・但馬杜氏が有名であり,このほかにも越後杜氏・広島の三原杜氏・岡山の浅口杜氏が有名。