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●常世の国 とこよのくに

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 古代日本において,海上のはるかかなたにあり,祖先の魂の行き集っていると考えられたところ。これを死の常闇の国として畏怖していたが,特定の時期を定めて祖先の霊が来臨すると考え,感謝すべき神のいるところと見なすと同時に,形相すさまじい魔物のいるところと相反する見方がなされたようである。“とこよ”の“よ”には古代から近代にいたるまで,穀物あるいは成熟の意味があって,「常世」は豊饒あるいは富の連想を伴うようになった。普陀落渡海などにみられる浄土とは,新たな解釈をつけ加えたものであっても,常世が形を変えたものと考えることができる。こんにち,沖縄の久高島伊平屋島などの祭りで,ニライカミガナシ・アマミヤカミガナシといって船をこぎつつ遠い常世の国から笠を深くかぶり仮装した神が現れる。こんにちではほとんど死語となっているニライカナイが常世に比定されよう。水中の異郷と人との交渉を語る昔話にもこの信仰を背景とするものがある。