●ドクトリネール
ヨーロッパ フランス共和国 AD
王政復古期(1815〜30)のフランスの政治党派の名称。純理派と訳される。彼らは立憲王党派に属する理論家たちで,代表的人物にロワイエ=コラールやギゾ・ドカーズの名をあげることができる。右翼の伝統主義すなわちユルトラ(過激王党派)が主張する絶対王政に反対し,さらに左翼の合理的個人主義すなわち自由主義者・共和主義者が主張する人民主権にも反対し,中庸を主張した。主権とは,国王にも人民のなかにも存在せず,国王と国民の合意にもとづく理性そのものにあると説く。ドクトリネールは議会においては〈一つの長イスに座せる政党〉といわれるほど少数派であり,その主張は理論的・抽象的で,革命の成果を支持しつつブルジョワ的自由を守ろうという点で日和見主義などという批判を受けながらも,当時の知識層の支持を受け強い影響力を示した。彼らの活動は立憲王党派に理論的凝集力を与え,さらには七月王政の統治理念になった。