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●トカラ

アジア アジア AD 

 古代中央アジアの地域および民族名。地域としては,現在のアフガニスタン北部・アム川中流域一帯を示していた。前2世紀の『史記』にみえる大夏ストラボンの『地理志』のトカリ族の南下によって成立したと考えられる。4〜5世紀以降の漢籍ではトカラ※注1※・吐火羅などと表記されている。民族的にはイラン系と推定されるが,のちには混血が進行した。東西・南北の交易の要地にあって,小乗(北伝)系の仏教文化をもって繁栄した。地域の中心はバルフでのちにはクンドゥスに移ったが,7世紀の『大唐西域記』では〈南北千里余,東西三千余里〉にまたがると記している。その後,南下してきた遊牧突厥の支配下に入り,また東進してきたイスラーム勢力の征服を受ける過程で,地域名・民族名ともに消え去った。なお,同名の小民族が中央アジア東部にも存在したが,両者の関係は明らかでない。またいわゆる“トカラ語”も誤解による命名で,この地域・民族とは無関係である。

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