●東洋社会論 とうようしゃかいろん
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アジア諸地域の社会的特質に総合的規定性を与える理論的試みのこと。アジア諸地域は,ヨーロッパとは異なる社会的特質をもち,また,独自の歴史的発展を遂げてきた。そのさい,近代社会を形成したヨーロッパとアジア諸地域とを対比させ,アジアの社会的特質を明らかにすると同時に,ヨーロッパ諸国によって植民地化,または半植民地化されたアジアの社会的特質が問題となり,ここに東洋社会論が形成された。それは,18世紀フランスの啓蒙主義のヴォルテールやモンテスキュー,また,イギリスのアダム=スミスらが,それぞれの著作で展開した東洋社会論に始まる。彼らは,ヨーロッパの絶対主義を批判するためにアジア社会を取り上げて,その社会的特質を論じた。その後,ヘーゲルが世界史の発展段階を設定して,両社会の特質を包摂した形でアジアをとらえた。さらに,マルクスは,アジアの社会的特質を地域的限定から解放し,専制支配・国家的土地所有・村落共同体などの諸特徴を社会構成の歴史的カテゴリーでとらえ,それぞれ独自の東洋社会論を展開した。