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●東洋的専制主義 とうようてきせんせいしゅぎ

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 東洋的専制国家は,アジア的生産様式上部構造をなすものであるが,おもに近代以前の非ヨーロッパ地域において,とくに顕著な発達をみた。世界史上でもアジア地域において,神権的かつ集権的な専制的首長の君臨した幾多の巨大王朝群が相次いで興亡した。ことに中国では最も長く存続し,君主権も強大,秦・漢の時代には皇帝制度も生まれるにいたる。ヨーロッパ人はギリシア・ローマ以来,東方の専制王朝支配下の諸社会を,自由で進歩的,個人主義と合理主義の支配する自己の社会と対比し,専制と隷従,停滞と蒙昧,全体主義,非合理主義,呪術と迷信の支配する陰画の世界として把握したのである。これはアジア的世界を総括する支配的原理で,皇帝の絶対尊厳はヨーロッパ近世の独裁君主制にも比較される。このような専制主義成立の基礎条件として,大河川流域の大規模人工灌漑にあるとする「水の理論」,孤立的・閉鎖的な特異な共同体群上の諸々の“共同体の父”としての専制君主が君臨するという「環節社会の理論」,このような社会の基底にある家父長制家族における家父長の絶対的支配が成立要件であるとする理論など,過去の東洋的専制主義形成の要件を究明した諸理論があるが,未だ決定的ではない。