●燈油 とうゆ
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近代になってガス・電気が登場するまで,人々は,照明用として燈油を使っていた。燈油は,はじめ樹木,たとえば松の木の根や幹の脂(油)などであった。日本では中世までは燈油の原料は胡麻(ごま)・荏胡麻・木実などであった。近世(主として戦国時代以降)になると菜種油(水油ともいう)・綿実油(白油ともいう)が燈油となった。燈油用としては菜種油が第1であった。菜種油・綿実油は摂津・河内・和泉・伊勢で最も多く絞油された。畿内は絞油については中世以来の伝統があり,技術的に高い伝統を保っていた。大坂はその集配の中心であって,京都・江戸へ出荷する京口油問屋・江戸口油問屋が創設されている。幕府は江戸への油供給確保・値段安定のために,油の大坂集中をはかって,1770年(明和)の仕法を行っている。しかし,在方商人の進出,摂津・河内の1,007カ村の国訴によってその政策はゆらいできている。藺草からつくられた燈心は燈油にひたされ燈火となる。燈心と浅草弾左衛門との歴史的関連は興味深い。