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●東大寺三月堂不空羂索観音像 とうだいじさんがつどうふくうけんさくかんのんぞう

アジア 日本 AD 

法華堂の本尊で、内陣中央の須弥壇上に安置してある。この本尊は天平年間に創建された羂索堂の本尊と考えられ、像自体は脱活乾漆造りで、その上に箔を押して、頭部に高髻をつけて、頭髪は群青彩色を細かい毛筋の上に塗っている。全体は金色に仕上げて、本尊自体には他の諸天・四天王などにみられるような色彩の変化はほどこしていない。また本尊の宝冠は、頭の周囲をおおっている基部と髻をつつむ中心部と最上の火焔付宝珠とからなっていて、すべて銀製鍍金で仕上げている。正面に本地の阿弥陀立像を配している。この本地仏は銀製で細かく、この宝冠に用いられている珠玉は翡翠・琥珀・水晶・真珠・吹玉などの勾玉・管玉・切子玉・小王で、瓔珞として唐草よりつり下げられているものと、小珠玉を用いて縄状に巻きつけているものとがある。また頂上には水晶の珠をかかげ、枠の間に対華花文を鋳出した八稜鏡を置いている。当時の最高の造像技巧をこらした傑作である。

〔参考文献〕奈良六大寺大観刊行会『東大寺』1968、岩波書店

平岡定海『東大寺辞典』1980、東京堂出版

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