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●唐詩選 とうしせん

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 唐詩の選集。7巻。明の李攀龍(1514〜1570)の編とされ,日本では江戸時代以降唐詩の代表的選集として大いに愛読されたが,実は李攀龍の名を利用して書肆(しょし)において編集した俗本であることが最近では定説となっている。李攀龍が生前記した『選唐詩序』を「唐詩選序」として巻頭に置いているが,彼の死後,その名声を利用して,書店の主人が勝手に引用したものであるらしい。李攀龍は,嘉靖七子(“後七子”ともいう)グループの代表的人物であり,“格調”の説を唱え,王世貞(1526〜1590)と並んで格調派の祖とされる人であるが,この格調説の流行を受けて作られたものがこの本で,中国でも明代には愛読された。選集の基準は,格調派の主張にもとづいて李白や杜甫をはじめ盛唐の格調が高い詩を多く採るが,中唐・晩唐の詩は冷遇され,たとえば白居易杜牧の詩は一首も採録されていない。日本では江戸時代,李・王の格調説が流行したので,それに伴って『唐詩選』が愛読されるようになったのである。