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●東海道四谷怪談 とうかいどうよつやかいだん

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 歌舞伎。5幕7場。四世鶴屋南北作。1825年(文政8)江戸中村座で初演。塩治(えんや)家(『忠臣蔵』の世界の浅野家)の浪人民谷伊右衛門は,師直(もろなお,吉良上野介)方の伊藤喜兵衛の孫娘お梅に恋されて婿になることを願い,女房お岩を虐待する。また,お岩は喜兵衛に血の道の薬といわれて毒薬を飲まされ,面体崩れて噴死する。そこで伊右衛門は,出世を条件にお梅を妻にし,家伝の妙薬を盗んだ下男小仏(こぼとけ)小平を惨殺してお岩の間男(まおとこ)に仕立て,戸板の裏表にお岩と小平を釘付けにして川へ流す。そののち,2人の亡霊につかれた伊右衛門は,お梅と喜兵衛を切り殺し,さらには,夢のなかでもお岩の死霊に悩まされ続け,ついに半狂乱となって,佐藤与茂七に切り殺される。『忠臣蔵』の世界をないまぜにした複雑なストーリーのなかで,次々と惨劇を展開する本作は化政期の生世話(きぜわ)狂言の代表作であると同時に南北の最高傑作と評されるものである。また,後の合巻本・講談などにも大きな影響を与え,女主人公お岩の怨霊は,日本の怪談を代表するものの一つとなっている。