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●問丸 といまる

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 鎌倉・室町時代,中世において,港湾や重要都市に居住して,物資の管理や仲継取引きに従事したものをいう。平安時代初期に,淀・木津・桂のような京周辺の津には荘園からおくられてきた年貢の陸揚げや領主の旅行準備を支える問があった。鎌倉時代には鳥羽・大津・坂本・敦賀などにも倉庫を設置して,年貢米の保管をはじめ船舶の準備や宿舎の提供のあっせんなどにあたるものであった。はじめは荘園の問職をして領主から問給や問田を与えられていて荘園の下級荘官のごときものであった。それがやがて独立して,業者となった。その時期が室町時代と考えられる。これも地方の小市場経済圏が成立し,それをとりむすぶ部門別の商人が自立したことが,問丸を発展させ,専門的な卸問屋商人に成長させるに至った。彼らは自由にして独立,かつ貨幣を握る問屋商人となっている。その活動を自由にさせたのが楽市楽座であった。問丸は平安時代の津屋に起源をもつものである。「庭訓往来」などには湊その問丸とかかれている。天正以前の問丸の存在を示すものは次のごとし,(1)淀川流域:桂・鳥羽・淀・木津・宇治・椋橋,(2)瀬戸内海:堺・尼ケ崎・兵庫・紀伊湊,(3)日本海:三国・小浜・敦賀・直江津・蒲原津・宇龍・博多,(4)琵琶湖沿岸:坂本・大津・今津・海津・長浜・八幡・舟木・朝妻,(5)太平洋沿岸:三河大浜・大湊・桑名・沼津・江浦・品川・六浦・古戸,以上33港をあげることができる。問丸は都市内に住む小売業者を指揮する力をもち,座の年寄として采配をふるい,都市行政にたずさわるものも現れている。

〔参考文献〕豊田武『日本商人史中世篇』1959,東京堂

『日本史総覧第III巻中世二』1984,新人物往来社