●転向 てんこう
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歴史的には,ファシズム期の権力による強制や時流への便乗を求める外的契機によって行われる思想上の変節をさす。日本ではとくに1931年(昭和6)満州事変以降の共産主義者の大量転向をさすことが多い。1933年(昭和8)6月,獄中の日本共産党幹部佐野学・鍋山貞親らが転向声明を行ったことを契機として,投獄・拷問などの肉体的強圧,社会的差別,家族のつながりを利用して思想誘導により,獄中の共産主義の3割が1カ月以内に転向し,その後はこのような傾向が一般化していった。また自由主義者・社会民主主義者も時流に便乗し,続々と転向していった。そして国粋主義や戦争賛美の立場に変わった。しかし,1945年の戦争により,従来の価値体系がくずれ,民主主義・社会主義・共産主義への逆転向がみられ,1950年朝鮮戦争によって,軍国主義復活の過程で社会主義・共産主義に対する批判が生じ,再転向するものがまたまた生じている。