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●田楽 でんがく

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 古代から中世にかけて流行した演芸形態。起源には古来の田舞いに求める説,田植仕事の労苦への慰安説,田の神に五穀豊穣を祈った宗教的祭事説などがある。いずれにしても播種耕作に際しての素朴な擬態が舞踊化し,一定の形式を整えるに至ったものであろう。そうした風潮が都の貴族のあいだで高まり,平安中期・末期に田楽としてもてはやされた。藤原道長が女(むすめ)の一条中宮彰子をもてなすのに田楽をみせたと『栄花物語』にあり,鼓・笛・ささらを鳴らして舞い歌った男たちの様子が描かれている。田楽の流行に伴いそれを業とする田楽法師が現れ,京都の本座・奈良の新座などの座が組織された。演技に刀玉・品玉・高足・一足など曲芸的要素が加味され,鎌倉末期に演劇的発展をみせて田楽能となり,猿楽能成立に影響を与えた。のち田楽は猿楽に人気を奪われ,春日若宮を初め地方の社寺に神事として命脈を保ち,今日に至っている。

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