50音順    検 索

●天 てん

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国古代の最高神格。殷代卜辞所見の「帝」「上帝」は自然現象・卜事に関して下位の神格を作動させる,祭祀を超越した至高神であったが,西周ではこの至高神を「天」とも称する。西周の「天」の特徴は,その政治的機能にある。王朝の開始とその継続は「天」「天命」の保障によるとされた。「天」に対する直接的祭祀は西周の確実な史料には徴証を得ないが,金文などには,祖先が天上にあって「上帝」につかえ,現世の人間は祖先への祭祀を介して「天」にはたらきかけうる,とする観念がうかがえる。このような人格神としての「天」に対し,春秋末期以降,「天」を宇宙最高の原理とみなす理神論的見解が発展。この観念は孔子ではまだ不分明であるが孟子は,人間の性は「天」が与えたゆえに善であるとして「天」を人間界主宰の原理とみなし,荀子は「天」を自然的・物質的秩序の原理として天人分離をとなえた。董仲舒は天災地異を「天」の人間に対する警告として天人合一をとなえた。