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●手毬 てまり

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 手毬といえば,縁側などでついて遊ぶものと考えやすいが,昔は揚(あ)げ手毬といってちょうどお手玉のように上に投げあげて遊ぶもので,いわば曲芸に近いものであった。今のように毬が弾むようになるのはゴムが使われるようになってからで,ゴムといっても初めは容易に一般の人々の手に入らなかった。手毬に弾力を出すため芯が工夫された。1,2の例をあげると,山の崖などに垂れて生える苔(山ごけという)とか,ぜんまいの綿,芋がらと呼ぶ里芋の茎の干したもの,ゴローという布地(昔は入浴のさいの垢すりに使った)とか,あるいはこんにゃく玉や風船などで,これを芯として,そのまわりに綿や布をかぶせて表面は糸でかがった。しかし弾力ではゴムに及ばなかったので,ゴム毬が現れると,いっせいに影をひそめてしまった。手毬遊びに伴う手毬唄も全国で数多く採集されているが,古いものでは数え唄形式のものが多いようである。