●デフォー
ヨーロッパ 英国 AD
1660ごろ〜1731 イギリスのジャーナリスト・小説家。ロンドンの商人の家に生まれ,両親は敬虔な非国教徒であった。何度も商売に失敗したのち政治運動に参加するが,小冊子「非国教徒に対する短絡的方策」(1702)で国教会を諷刺したため半年余り投獄された。その後,当時評判のうわさ話を記録した短編小説風の『ヴィール夫人の幽霊』(1706)などを著す一方で,週刊新聞「レヴュー」(1704〜1713)を単独で発行している。小説家としての活動は『ロビンソン=クルーソー』(1719)から本格的に始まる。この作品は,絶海の孤島に流れついた男が,28年間にわたって信仰を支えに自らの努力で運命を切り開いていく姿を描いたもので,デフォーの名を一躍有名にした彼の代表作である。ほかに女囚の娘が波瀾万丈の人生を送る『モル=フランダース』(1722)ロンドンにペストが大流行したときの状況を克明に描いた『疫病の年』(1722)などの作品が続くが,デフォーの小説は一様に鋭く写実的な描写に富んでおり,よって彼は近代写実主義の先駆者とされている。