50音順    検 索

●ディーワーン

アジア アジア AD 

 イスラーム帝国の行政機関で,庁・局などを意味するアラビア語。最初は640年,カリフ-ウマル1世がイスラーム教団の有力者やアラブ戦士たちに対して俸給を支給するために作成した受給者登録簿のことをさしたが,やがてそうした事務を取り扱う役所をも意味するようになった。ウマイヤ朝になると中央政府の業務も増え,租税徴収を担当する税務庁,カリフの文書を作成する文書庁,文書の封緘を行う印璽庁,戦士の登録と俸給の支給事務を担当する軍務庁などが設けられた。アッバース朝では中央集権化が進んで官僚機構が膨張し,ディーワーンの数も増え,それも状況に応じて適宜改廃された。なお地方には県庁に当たるディーワーンがあった。また第3代カリフ,マフディーのとき,各ディーワーンの業務を監督する監査庁がそれぞれに対応して設けられ,しかもこれら監査系諸官庁を統括する最高監査庁も設置された。この監査庁は9世紀末に国家の予算制度が確立すると,会計検査院の役割を果たした。