●ティリンス
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ミュケナイ(ミケーネ)・オルコメノス・アルゴスなどと並んで,ミケーネ文明の中心地の一つ。ペロポンネソス半島の東部にあって,シュリーマン(1822〜1890)によって発掘された。ティリンスの城塞はミケーネ式居城の典型的なものである。いわゆる“キュクロペスの城壁”といわれるミケーネ時代の城塞の特色をそのままに生かした,巨石で構築された城壁で囲まれている。城内は南すなわち上部と北,すなわち下部とに分けられ,南に宮殿がある。城門を入って中庭に,城主の公館である大メガロンがある。室内の壁には壁画が描かれ,床は漆喰で固められている。右側正面の壁に接して玉座があった。その他,城内の主要な建築物は廊下でつながれている。柱や装飾様式はクレタ式宮殿から得ているが,全体として典型的なミケーネ式であるといわれている。ミケーネ文明は,前1100年ごろに南下したドリス人のために急速に衰退した。