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●邸報 ていほう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国でおよそ宋代から清代まで用いられた一種の官報。邸抄ともいい,新聞のさきがけとされている。唐代,各地の藩鎮は長安に“邸”を設置し,朝廷への進秦,詔令の伝達にあたらせ,“邸”のもたらす情報を邸報と称した。宋代には中央地方の官僚が朝政を知るための重要な情報源となるまでに発展した。当時はおもに手抄によってつくられ,木版印刷の邸報もあったというが現存しない。顕著な発達をみせるのは明末からであり,崇禎年間(1628〜1644)には木活字を用いた邸報が流布した。この時代から〈報房〉と呼ばれる民間の専門業者が発行した。清代には“京報”の名称が一般的となり,毎日5〜10ページだてで上諭や上奏を掲載した。地方への送達速度も公的な駅伝よりも速い場合が多かったといわれる。清末に西洋的新聞が出現した際も,朝廷の動行はもっぱら京報の転載にたよっていた。同種のものに,数日分の京報をまとめた「論摺彙存」や,北京内で消息を即日のうちに伝える「宮門抄」などがあった。