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●抵抗権 ていこうけん

北アメリカ アメリカ合衆国 AD 

 圧政に対して人民が抵抗する権利。つまり,法律上の義務と法律以外の秩序(たとえば,道徳とか宗教)による義務とが衝突する場合に,後者の義務に優位を認め,法律上の義務を拒否する権利。わが国で抵抗権が問題となった事例として,新聞記者が職業上の義務として取材源を明らかにしなかったために刑事訴訟法161条違反(証言拒絶)に問われた石井事件がある。抵抗権の思想は中世以前にさかのぼるが,いわゆる暴君放伐論(モナルコマキ)を踏まえて18世紀にジョン=ロックによる理論化がなされ,アメリカ独立宣言フランス人権宣言に影響を与え,“圧政への抵抗”が明文上規定されたことは有名である。結局,抵抗権は人権を侵害する公権力への抵抗を内容とし,権利保障を担保とする超実定法的(自然法的)な権利としての性格をもつといえる。

〔参考文献〕ロック,鵜飼信成訳『市民政府論』1971,岩波文庫