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●ディクタトル

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 ローマ共和政時代に,非常時の際任命された臨時的政務官職。「独裁官」と邦訳されている。平時の政務官職の原則(1年任期・同僚制・民会選出)を停止して,元老院の提案により執政官の一人が指名する形をとる。独裁官の任期は半年で,重任は不可,単独制であり,軍事・裁判の絶対的命令権をもち,本来の形では,彼の下した死刑宣告に対する提訴は許されず,また護民官も禁止権を行使できなかった。その最初の例は,前430年だが,戦争・内乱といった事態以外にも,特定の儀式挙行の目的で設置された例もある。命令権の内容もしだいに制限を加えられ,第2ポエニ戦争後は絶えて任命されることがなかった(執政官の権限拡大で処理)。共和政末期になって,まず前82年にスラが古来の権限に加え任期無制限で独裁官に任命された。ついでカエサルは,初め任期1年,のち無制限でその職を占め,しかも同時に執政官職につき,護民官職権も取得して独裁的地位に立った。彼の死後,アントニウスはこの職を廃止する法律を出し,アウグストゥスもこの名称を贈られたが拒否した。