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●徒然草 つれづれぐさ

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 随筆集。兼好法師作。無常観に立脚し,自然や人間の本質を,鋭くえぐりだしている。兼好は,代々京都吉田神社に仕えた神官の家に生まれた。若くして宮中に仕え,後二条天皇に六位蔵人(くろうど)として出仕する。出家後,歌人としても高名となる。〈つれづれなるままに〉(序段)と執筆動機を語る冒頭に続き,長短243段が,書きつづられている。有職故実(ゆうそくこじつ)や,僧侶の滑稽譚,王朝風の描出の段など,種々の内容が渾然一体となっている。全体に均整のとれた擬古文でつづられているが,話題により漢文訓読調で語句を整えたり,和文調でやまとことばを駆使するなど,語り口を変えている。中古文で確立した〈き〉〈けり〉の助動詞の使い分けもほぼ正確である。また同じ随筆文学の『方丈記』と比べても,それが無常への詠嘆で終わっているのに対し,無常をみすえ,新しい中世的な美意識を確立している点は評価される。