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●綱貫(服) つなぬき

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 古くは貫(つらぬき)ともいう短靴形の履物の名称。平安時代にはもっぱら無位の武士か庶民の履物であり,鎌倉・室町時代になると,履・鞋の被甲履物類の着用は一部の宮廷公家にとどまるようになり,草鞋・草履・下駄などにとってかわられている。この名称は「つらぬき(貫)」と同じで,普広院殿御元服記の永享二年七月廿五日の条によると〈つらぬき仕先規か〉とある。昔からの伝統的なものとかかわっている。牛の皮でつくり,底に鉄釘をうったもので,俗につなぬきぐつといっている。ところによっては猪の皮でつくった皮靴の名称としているところもある。そして守貞漫稿27等を見ると綱貫沓は漆ぬりを用いたともある。そしてこの種のものは,のちになると庶民社会にも用いられ,農具便利論にさえ載っているのを見ると,かつては貴族社会のものであったものが,庶民にも用いられ,京洛以外の地でも使用され,牛でなく猪の皮さえ用いられたものと考える。