50音順    検 索

●綱引 つなひき

AD 

 藁や萱で作った大綱を村人がでて引き合う年中行事・神事である。東日本では一般に小正月に行うが,これは中国や朝鮮の上元の綱引と関係があるとされている。北九州などには盆の綱引があり,南九州から沖縄など南島では8月の十五夜綱引になっている。綱を引き合うのは二つの集落か,集落を地域的に二分して行うものが多く,その場合に農村と漁村とが対抗して引き,勝てば豊作・豊漁になるといった予祝の性格をもつものとなっている。このほか,一つの集落のなかで,男と女とか,青年組と子供組とで引く例は辺地に多くあり,古風を示していよう。南九州から南島にかけては綱を引きずったり担いで集落の内外を回って,のちその綱を川や海に流し送る例が多い。この綱は竜神のシンボルと思われ,竜神去来の儀礼が綱引化したと思われる。そうした点で綱引きは網掛け行事・綱張り行事と密接に関連している。

〔参考文献〕小野重朗『十五夜綱引の研究』1972,慶友社