●ツァーリズム
NIS諸国 ロシア連邦 AD
皇帝(ツァーリ)が支配するロシア独特の専制政治。16世紀中ごろのイヴァン4世に始まり,17世紀末〜18世紀初めのピョートル大帝により確立,18世紀後半のエカテリナ2世によって完成された皇帝・士族(貴族)的・農奴的ロシア絶対主義的支配体制。皇帝は国家機関化した教会の長であり,独裁専制君主として絶対権力をもち,貴族は文武官として皇帝に奉仕し,皇帝権力を制約すべき身分制議会をもたず,他方農奴主として種々の特権を与えられていた。西ヨーロッパの絶対主義が貴族階級の没落・農奴解放・近代ブルジョワジーの興隆の上に成立したのに対し,ロシアでは旧貴族(領主)の抑圧・士族の保護・彼らへの封地付与・農奴制の強化という形で,この独特の政治体制が生まれた。19世紀には国際的反動勢力の中心となり,対外侵略性を発揮したが,内にはたえず農民・被圧迫民族の抵抗をかかえ,19世紀後半・資本主義の進展のなかにその矛盾を露呈し,ロシア革命に至る。