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●頂相 ちんぞう

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 禅宗の祖師または先徳の上半身の肖像のことをいい,また「頂髻の相」を意味する。ことに『禅林象器箋』によると,まず祖師の肖像を描くのには,生前に描くのには主位にして面を像の右に向かわせて描き,それに対して死後に描くのには客位にして面を像の左に向かわせて描き,祖師の贊についてはその肖像の向かっている方向に随って描くことに定められている。このような禅僧の肖像画はもともと中国の禅宗の発展とともに起こってきたものであって,わが国でも鎌倉時代から室町時代にかけての禅宗の発達によっても盛んに描かれた。その共通の形式は警策を手にして椅子のうえに結跏して,沓をぬいで下に並べた形式で,上方に自賛または他の師僧の賛が記されているのが通例である。建長寺大覚禅師像・大徳寺の大燈国師像などが製作の年代も明らかで,この種の最高の傑作としてよく知られているものである。

〔参考文献〕町田甲一『概説日本美術史』1965,吉川弘文館