●チョムスキー
AD1928
1928〜 は,合衆国に風靡していた行動主義というパラダイムに対して,一種の“科学革命”を起こした張本人である(1958年の合衆国言語学会議において)。それは経験主義的・実証主義的言語学を批判したものだった。『統語理論の諸相』(1965)では,言語獲得過程が要約されているが,彼の一般言語理論は言語獲得を可能ならしめ,かつ言語創造性の根源をなしているところの心的能力を説明することにある。このためのモデルとして彼は LD→AD→G なる図式を呈示している(LD=言語資料,AD=獲得装置,G=文法)。LDが幼児に入力されると,Gが出力されるが,このADの内部構造を言語理論は説明しなくてはならない。生成文法は,有限数の要素から,無限のすべての文法的な文を生成する,有限な規則の総体である。話者はこの内蔵化された規則体系(言語能力)のおかげで言語の現実化(言語運用)が可能となる。チョムスキーは,人間には,生得的に言語能力が備わっていると説く(生得説)。〔参考文献〕V. M. デ=アギアル=エ=シルヴァ『言語能力と文学能力』
Ph. リヴィエール・L. ダンシャン『言語学と新しい教養』1975,芸林書房