●チョーサー
ヨーロッパ 英国 AD1340 プランタジネット朝
1340?〜1400 イギリス中世後期の詩人。シェークスピア・ミルトンと並びイギリス三大詩人の一人に数えられ,「イギリス詩の父」と呼ばれる。ロンドンの富裕な酒商人の子に生まれる。3代にわたるイギリス王に仕え宮廷人として一生を送る。宮廷の外交使節として数回ヨーロッパ大陸を訪れ,その際フランスの宮廷文化,イタリア=ルネサンス文化にふれ多大な影響を受ける。『トロイラスとクリセイデ』はボッカチオの作品からそのあら筋を借りている。チョーサーの名を不朽のものとした『カンタベリ物語』は未完ではあるが,カンタベリへの巡礼団が道中各々の物語を話すという形式をとっており,巡礼の人々と彼らの語る物語の多種多様さはチョーサーの広範な文学的素養と豊かな才能を余すところなく示している。とくに14世紀当時のイギリス社会の縮図ともいえる種々の階層,職業の人々から成る巡礼たちの人物像は,作者の皮肉な,しかし温かいユーモアに富んだ筆で生き生きと描き出されている。