●重任 ちょうにん
アジア 日本 AD
律令制の時代に,任期のある官職について,任期満了後も,さらに任期を継続することをいう。重任には,一度律令官職をやめたあとで再び同じ任に復職する還任(げんにん)と1期務め終わったのちに引き続いて1期未満の何年間かを務める延任があり,この二つは区別して用いられた。律令国家が衰退期に入った平安時代中期以降,政治がゆるみ,国家財政が窮乏してくると財物を納めて,任期を継続する売官の一つになる。とくに国司の重任は,情実を防ぐ意味で古来から,よほどの事情がなければ許されなかったが,平安末にかけては,力をつけた諸国司が多大の財物を出して重任を重ね,長期にわたって私腹をこやす者が多くなった。このような弊害を憂え,後三条天皇は国司の重任を禁じようとして,関白藤原教通(のりみち)と衝突し,実現することはできなかった。以後権門は重任の功を募り,ために政治はますます混乱をきわめていった。