50音順    検 索

●逃散 ちょうさん

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 農民が為政者への抗議の方法として,集団で定められた居住地を逃れ去ることをいう。生活苦や近隣不和などで,夜逃げのような形で,個人的に行方をくらます欠落ちとは区別される。鎌倉時代の荘園内の農民にみられ,南北朝以後頻発するようになった。江戸時代にも百姓一揆の一形態として逃散があるが,それは,願意を訴状にして領主に提出する強訴越訴愁訴などにくらべて消極的な抗議方法といえる。江戸初期には小規模な逃散が枚挙にいとまないほど多く見られ,個人的欠落ちとなかなか区別しにくい状態である。士農分離と検地による封切りが行われ,幕藩支配体制が確立してからは,徒党を組んで行う逃散はやはり命がけの抗議であった。つまり訴状を出しても受け入れられるはずのない要求事項について,強訴をするほどの組織づくりもできない場合に,集団で他領に逃散し,近隣領主の援護のもとに自領の当局者と交渉する形をとったのである。