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●朝貢 ちょうこう

アジア 中華人民共和国 AD 

 中国を中心とする前近代東アジア世界における,周辺諸国の形式的服属の象徴としての貢納をいう。返礼として多くの下賜品があり,朝貢使節に随行する商人による貿易も行われるなど,国家統制下の貿易の意味をもつ(朝貢貿易)。朝貢国の主権者には多く,中国皇帝が王号・官爵を与えて当該地域の支配権を承認した(冊封)点では,東アジア的国際秩序を支える意義も有した。隋・唐以降とくに制度的整備が進み,明・清では原則として外交・貿易は朝貢形式に限られた。日本・ヴェトナムなどでもしばしば同様の傾向がみられた。前近代世界に普遍的な国家や部族間の貢納関係がこうした形で制度化された要因としては,中国側では“地大物博”な中国では蛮夷への教化・恩恵としてしか外交・貿易を行う必要がないという中華思想が,周辺諸国側では貿易・文化交流の必要や冊封を得ることのもつ当該地域における政治的意義などが指摘されている。