●中部地方 ちゅうぶちほう
アジア 日本 AD
本州の中央に位置し,関東地方と近畿地方の中間にある地域名。新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知の9県から成っている。したがって北陸・東山・東海の三地域を含む。むかしは,佐渡・越後・越中・能登・加賀・若狭の7国の北陸と,甲斐・信濃・飛騨・美濃の4国の東山,伊豆・駿河・遠江・三河・尾張の5カ国の東海をさす。中部圏は,1966年(昭和41)の中部圏開発整備法によって定められた地域は多少異なり,新潟を除いて,三重・滋賀を加えている。そして東海・北陸の相互の産業・経済の密接化がはかられている。この地域の一つ中部山岳地域は中部山岳国立公園もあり,本州の屋根といわれる3,000m級の高山が連なり,日本の山岳の代表地域で700万に近い登山客を招く。中部電力・中日新聞の力の強い地域である。【自然】日本の最高部で山岳地帯は中部高地といわれている。糸魚川−静岡を結ぶ大地溝帯がつらぬき,南彎山系(西南日本)と北彎山系(東北日本)に分れ,前者は飛騨・木曽・赤石の各断層山脈。ここは3,000m級の山がつらなる。氷河の痕跡が見られ,北彎山系には越後・三国山脈・関東山地がつらなる。中央高地よりは河川が多く急流が少なくない。信濃川が代表的河川で,阿賀野川・黒部川・神通川・庄川・手取川・九頭竜川のごとき急流,太平洋にそそぐ木曽川・豊川・矢作川・長良川など,東海地帯は多雨で電源開発が進んでいる。そして河川の下流には扇状地,三角州ができ,洪積台地も見られる。隆起扇状地も見られる。濃尾平野には,三角洲の輪中が発達し干拓地が広い。河川の源に湖が多い。諏訪湖・野尻湖・木崎湖を中心とする仁科三湖・富士五湖,さらにダム建設により人造湖も見られる。海岸線は大きく出入りに富む。日本海岸では能登半島が突出し,富山湾をつくる。若狭湾もある。能登半島の一部はリアス式海岸が発達し,日本海沿岸には砂浜や砂丘が発達し,潟湖も少なくない。太平洋沿岸には伊豆半島・渥美半島・知多半島があり,駿河湾・三河湾・伊勢湾をつくり,浜名湖がある。
【気候】東海は太平洋沿岸気候で,北陸は日本海式気候といわれ,中央高地は内陸性気候,東海は温暖夏多雨地帯,伊豆・渥美半島の尖端は南九州並み,北陸は湿潤で夏高湿,冬深雪地帯フェーン風が吹く。
【産業の特色】北陸は米作単作地帯で日本の穀倉地帯の一つ。副業・兼業率も多い。砂丘地や水田で花卉・ブドウ・スイカづくり,養蚕・果樹・野菜,長野盆地中心のリンゴ,甲府盆地中心のブドウ,伊那盆地のナシ・柿,高冷地のハクサイ・キャベツ・ジャガイモ,東海地帯では濃尾の米作,静岡の茶・ミカン・イチゴ,渥美の温室-電照ギク,尾西の野菜,安城の養鶏等そのなりわいでの先進地帯を形成している。林業では木曽は天下の美林・ヒノキ材,大井・天竜川の水域および天城山のスギ材をあげることができる。水産県では東海は焼津のような遠洋漁業基地があり,沿岸漁業の漁港も並ぶ。浜名湖の養鰻,三河湾のノリ養殖,伊豆のテングサ,日本海沿岸では小漁港が多くブリ・サバ・イワシ・アジ・タイ,さらに越前ガニ・能登ブリ,魚津のホタルイカ,佐渡沖のエビが有名。鉱業では,水力発電地帯であるが,新潟の石油−天然ガス,神岡の亜鉛,赤坂の大理石,瀬戸の陶土,能登の桂藻土がある。工業としては中京工業地帯,新潟・富山・高岡・松本・諏訪の新産業都市,東駿河湾・東三河の工業整備地域化によって東海道メガロポリス化が進んでいる。名古屋の重化学工業,刈谷の機械,豊田の自動車,瀬戸の窯業,豊橋の繊維,浜松の楽器・自動車,静岡の製茶,清水のかん詰・アルミ,富士宮・富士の製紙パルプ等が盛んである。北陸では新潟・柏崎・直江津の油化,富山・高岡の重化学工業・紡績,石川・福井の絹・人絹等が盛んとなり,それの間に在来工業伝統工業がいきている。