50音順    検 索

●忠誠 ちゅうせい

AD 

 忠誠は,外部のある対象に対する個人の持続する愛着の感情で,その形成・成長・変化の過程は,同一視の過程のそれに類似し,強化された忠誠は,自己犠牲をもいとわない献身的な行動を導く。忠誠の対象には,国家・政党・軍隊・企業・家族などの個人が所属している集団そのものや,その集団を特徴づけるリーダー・シンボル(国旗など)・主義・理想・制度・歴史・伝統・神話などが挙げられる。中世のヨーロッパでは,教会や信仰に対する忠誠に価値が置かれ,わが国の武士道では,主君に対する忠が最高の徳目とされた。18世紀以降,近代国家の誕生とともに,国家に対する忠誠が軍隊のみならず,広く国民の道徳的な価値として重視されるようになり,とくに新興国や全体主義国家では,政治的に最優先の課題とされた。近年,国際的な相互依存の進展などに伴い,自由主義国家では,忠誠の概念の多様化や分極化がみられる。