●知藩事 ちはんじ
アジア 日本 AD
明治国家体制初期の地方行政官名。1869年(明治2)6月17日,諸藩主が版籍奉還した結果,朝廷が新たに旧藩主に命じた職名を官制上は知藩事という。そして旧藩地を治めさせた。職掌としては人民の養育・生産増殖・教化・徴税・賦役・刑賞・藩兵統率などがあった。そして藩内の社祠・戸口・名籍を知り,風俗をあつくし,租税を改め,僧尼の名籍を知る。当時は各藩は依然として独立した行政区であった。士族の間には戦乱に乗じて昔に帰ろうとする者もまだいた。ところが1869年6月25日の改革や翌1870年(明治3)9月10日の藩制改革などによって改革に画期づけられた。知藩事の家禄は封建実収石高の10分の1と定められている。その上に昔からの関係もあってその情実はなかなか断ちがたくなった。1871年(明治4)7月14日の廃藩の結果,知藩事は県令と改称されている。