●地縁 ちえん
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一定地域に居住することによってほぼ恒常的に結ばれる社会関係。抽象的な概念として血縁に対する語。社会組織の原始形態を問題とした19世紀末の進化主義人類学者は,地縁集団に対する血縁集団の先行を提唱した。モルガンの『古代社会』に描かれた血縁から地縁へという原始社会の発展図式は,エンゲルスによって全面的に取り入れられ,今なおマルクス主義歴史学のなかで支持されている。しかし,その後の進化主義批判のなかで地縁も血縁と並んで社会の結合原理として原初的に存在したことが明らかにされた。実際には血縁や地縁関係が純粋に存在することはない。日本の村落社会では,血縁関係としての本分家関係は同一村落内に居住するという地縁関係を前提にしており,両者が対立概念とはなっていない。また地縁集団としての近隣組織は,単に近接関係にあることが組織の範囲や内容を規定しているのではなく,他のさまざまな要因が複雑にからみあっている。